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効くのか「訪問販売お断り」シール 消費者庁が慎重姿勢

 玄関の「訪問販売お断り」シールは意味がない? 訪問販売業者の規制を強化した改正特定商取引法が12月1日に施行されたが、こうしたシールに対し、消費者庁は「誰に何を断っているのかあいまいで、業者の訪問を拒む意思表示にならない」と判断している。悪質な勧誘の防止策として市民に配布してきた自治体側は「誰を守るための消費者庁なのか」と疑問の声を上げている。

 今回の改正法は、訪問販売で消費者が拒絶の意思を示せば、業者は勧誘を続けたり、再度の訪問をしたりしてはならない、と定めた。勧誘を繰り返すなど悪質性が高いと、業者は最高1年の業務停止命令を受ける。
http://www.asahi.com/national/update/1207/TKY200912070074.html
(asahi.com 2009.12.7)

自治体などが作成・配布など行っている「訪問販売お断り」シールに関する消費者庁のこの見解が議論を呼び、その後、消費者庁は「有効な手段である」との見解を出しました。

訪問販売お断りシール、消費者庁「取り組みは有効」
自治体が作成する「訪問販売お断り」シールが、12月の改正特定商取引法の施行で、「業者の訪問を拒む意思表示には当たらない」と消費者庁が判断していた問題で、同庁は10日、シールを無視して消費者に勧誘を続ける行為を「不当な取引」とし、条例で指導・勧告している自治体の取り組みを「有効な手段である」とする見解を公表、都道府県に通知した。

改正特商法の解釈を変えるわけではないが、条例のある自治体では、業者の勧誘を違反としてきた判断が尊重され、引き続き違反に問える。
http://www.asahi.com/national/update/1210/TKY200912100449.html
(asahi.com 2009.12.11)

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特定商取引法
第三条の二
販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その相手方に対し、勧誘を受ける意思があることを確認するよう努めなければならない。
 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない
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 というのが特定商取引法の規定ですが、これは、「訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し」ては、繰り返してではなく、1回でも勧誘することを禁じているわけです。

 今回物議をかもし出した「契約を締結しない旨の意思」表示等についての経済産業省のガイドラインは以下の通りです。

(1)意思表示の方法について
○契約締結の意思がないことを明示的に示すものが該当。
具体的には、相手方が「いりません」「関心がありません」「お断りします」「結構です」など明示的に契約締結の意思がないことを表示した場合。
○「今は忙しいので後日にして欲しい」とのみ告げた場合など、その場、その時点での勧誘行為に対する拒絶意思の表示は、「契約を締結しない旨の意思」の表示に当たらない。
○また、例えば家の門戸に「訪問販売お断り」とのみ記載された張り紙等を貼っておくことは、意思表示の対象や内容が全く不明瞭であるため、本項における「契約を締結しない旨の意思」の表示には該当しない。

(2)意思表示の効果の範囲について
「契約を締結しない旨の意思を表示した者」に対して、その後引き続きの勧誘と再び勧誘を行うことを禁止している。
○したがって、同居者の一人が契約を締結しない旨の意思を表示したからといって、他の同居者に対して勧誘を行うことは直ちに違法とはならないが、一度契約を締結しない旨の意思を表示した者の住居を訪問することは、例えば同一人物に対する再勧誘を行うこととなる場合があり得るものであり、そのような場合には違法となる

(3)「勧誘をしてはならない」について
○「勧誘をしてはならない」とは、その訪問時においてそのまま勧誘を継続することはもちろん、その後改めて訪問して勧誘することも禁止
○同一会社の他の勧誘員が勧誘を行うことも当然に禁止される。
○勧誘が禁止されるのは、「当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について」であり、「当該売買契約又は当該役務提供契約」に当たらない別の商品等の契約についての勧誘は禁止されない。
○同じ商品等の契約であっても、例えば、・数ヶ月から1年単位での契約が通常である商品等については、その期間が経過すれば別の商品等の契約と考えられる。
 また、季節毎の商品の入れ替えや毎年の新機種の市場投入がある商品等については、商品の旧型化による価格低下等が生じるおよそ数ヶ月や1年が経過すれば、別の商品等の契約と考えられるなど、その商品等の性質等にかんがみて、相当な期間が経過した場合は、実質的に別の商品等の契約であると考えられる場合もある。

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 思いますに「訪問販売お断りと記載された貼紙やステッカーなどでは意思表示の対象や内容が必ずしも明瞭でないため、「契約の締結をしない旨の意思」の表示には当たらない」というのは、あくまで「特定商取引法」におけるものであり、各自治体がそれぞれ消費者保護条例等において「特定商取引法」以上の規制を行うことは、いわゆる「上乗条例・横出し条例」の有効性として考えるべき問題です。

 自治体によっては消費者保護条例によって、訪問販売業者から見える場所に「訪問販売お断り」と明示したステッカーなどを貼ってある場合は、「拒絶の意思を表明している」ものと認め、消費者に対し勧誘する行為を禁止しているところもあります。(大阪府消費者保護条例第16条、規則第5条)。
http://www.pref.osaka.jp/shouhi/topics/211211.html


 ただ、「シールを張るだけで拒絶の意思表示ととらえると、営業の自由にも触れかねない。訪問販売そのものが死滅しかねない」との意見もあるわけで、あまり考えられないとも思えますが、そのような条例の効力について憲法問題として争ってくる事業者もいるかもしれません。


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