消費者庁は、業務提供誘引販売業者である株式会社ウインド(本社:東京都品川区)に対し、本日、特定商取引法第57条第1項の規定に基づき、平成22年4月10日から平成22年10月9日までの6か月間、業務提供誘引販売取引に関する業務の一部(新規勧誘、申込み受付及び契約締結)を停止するよう命じました。
また、併せて同社に対し、同法第56条第1項の規定に基づき、「営業員が、確実に収入が得られる保証がないにもかかわらず、確実に高収入が得られるかのように告げて勧誘していたことがあるが、それは虚偽である。」旨を、同社と契約した者に通知するよう指示しました。
(平成22年4月9日 消費者庁 発表より)
■行政処分の内容
(1)取引停止命令
平成22年4月10日から平成22年10月9日までの間(6か月間)
特定商取引法第51条第1項に規定する業務提供誘引販売取引に関する業務のうち、次の業務を停止すること。
① 業務提供誘引販売取引についての契約の締結について勧誘すること。
② 業務提供誘引販売取引についての契約の申込みを受けること。
③ 業務提供誘引販売取引についての契約を締結すること。
(2)指示
同社と「ウインドシッピング」の契約を締結した者に対し、営業員が、確実に収入が得られる保証がないにもかかわらず、確実に高収入が得られるかのように告げていたことがあるが、それは虚偽である旨を、平成22年5月10日までに通知し、同日までにその通知結果について、消費者庁長官まで報告すること。
■命令及び指示の原因となる事実
(1)不実告知
契約の締結について勧誘をするにあたって、「ラグジュアリークラスなら月に100万円くらい稼げます。2、3か月で元は取れます。」などと、確実に収入が得られる保証がないにもかかわらず、確実に高収入が得られるかのような虚偽を告げていた。
(2) 誇大広告
自社のホームページにおいて、実在しない契約者の月別利益実績を表示するなど、業務提供利益に関する事項について著しく事実に相違する表示をしていた。
(3) 広告における表示義務違反
広告において特定商取引法に定められた事項を当該広告に表示しなければならないにもかかわらず、一部を除いて、それらの事項を表示していなかった。
(4) 交付書面の記載事項不備
契約を締結するまでに交付しなければならない業務提供誘引販売業の概要について記載した書面に、必要記載事項を正しく記載しておらず、また、契約を締結した場合に交付しなければならない契約の内容を明らかにする書面についても、必要記載事項を正しく記載していなかった。
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ドロップシッピング とは、商品のメーカーや卸業者と代理店契約を結び、インターネット上に自分のホームページを開設して、このホームページをみた人から購入申し込みがあった場合に、メーカーなどから直接購入者に発送が行われるという販売形態です。
自分で商品を仕入れる必要がないので在庫を抱えるリスクが無く、商品の発送などの業務を行う必要がない、自分で商品価格を設定することができる、といった長所があるという一方、以下のような短所・問題点があります。
(1)実際には、かなりの投資金が必要(数十〜数百万円程度)
ホームページの開設にあたっての作成費用(ホームページ作成ソフトのリース代金、あるいはホームページ管理費、ドロップシッピングを行うにあたっての会員となる費用など名目は様々です)が必要となります。
(2)自分で商品価格を決定できるといっても、実際には価格競争が生じる
インターネットでの購入者はネット上で商品価格を比較し、安いものを選択するので、高額設定した商品は売れなくなります。また、取り扱える商品数を増やすにはそれだけ多くの契約金などの負担が必要になります。
(3)商品の販売責任を負う
アフィリエイトと違いドロップシッピングにおいては販売者の責任が発生し、商品に欠陥などがあれば、それに伴う損害賠償責任を負わなければなりません。
業者はあたかも数ヶ月で元が取れるほど注文がくると言って勧誘することが多いですが(悪質なところほどその傾向が強いでしょう)、実際にはほとんど売り上げがありません。
【関連記事】
内職・副業相談の中で、インターネット関連の相談が占める割合が増えています。特に、ホームページを開設し、自宅で副収入が得られるドロップシッピングやアフィリエイトの相談が多くなっています。「初心者でも高収入が得られるとの宣伝文句に惑わされ、高い初期費用を投入したが利益がない」、「毎月高収入が得られると思ったが、僅かな収入にしかならない」といった相談が寄せられています。
簡単に高収入が得られると謳って、高額なパッケージを斡旋する業者には注意しましょう!(平成21年2月5日 東京都生活文化スポーツ局)
<大阪>ドロップシッピング被害で提訴
http://www.youtube.com/watch?v=OHoT65Q0vmY
なお、ドロップシッピングは、特定商取引法第51条第1項に規定する業務提供誘引販売取引に該当するため同法による規制をうけることになります。
■業務提供誘引販売取引とは
(1)物品の販売または役務の提供(そのあっせんを含む)の事業であって
(2)業務提供利益が得られると相手方を誘引し
(3)その者と特定負担を伴う取引をするもの
をいいます。
簡単に言えば、内職商法とよばれるもので、以下のような事例がこれに該当します。
●販売されるパソコンとコンピューターソフトを使用して行うホームページ作成の在宅ワーク
●販売される着物を着用して展示会で接客を行う仕事
●販売される健康寝具を使用した感想を提供するモニター業務
●購入したチラシを配布する仕事
●ワープロ研修という役務の提供を受けて修得した技能を利用して行うワープロ入力の在宅ワーク
など
■業務提供誘引販売取引に対する規制
(1)氏名等の明示(法第51条の2)
業務提供誘引販売業者は、業務提供誘引販売取引を行うときは、勧誘に先立って、消費者に対して、一定事項を告げなければならない。
(2)禁止行為(法第52条)
業務提供誘引販売取引についての契約の締結について勧誘を行う際、または取引の相手方に契約を解除させないようにするために嘘をつくことや脅かすこと等の不当な行為の禁止。
重要事項の不告知、不実告知、迷惑勧誘行為、クーリングオフ妨害 など
(3)誇大広告等の禁止(法第54条)等
(4)書面の交付(法第55条)
■契約の解除(クーリング・オフ制度)(法第58条)
消費者が契約をした場合でも、法定書面を受け取った日から数えて20日間以内であれば、書面により契約の解除(クーリング・オフ)をすることができる。なお、この場合でも、契約の解除に伴う損害賠償や違約金の支払いを業者は請求できず、商品の引取り費用も業者の負担となる。
■契約の申込みまたはその承諾の意思表示の取消し(法第58条の2)
消費者が契約の申込み等を行っても
(1)事実と違うことを告げられ、その告げられた内容が事実であると誤認した
(2)故意に事実を告げられなかった場合であって、その事実が存在しないと誤認した
このような場合には契約を取り消すことができる。
■契約を解除した場合の損害賠償などの額の制限(法第58条の3)
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