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【国民生活センターの注意喚起】


2011年1月から、「電話の後自宅を訪問され、『元本は必ず戻る。すぐ倍になる』などと勧誘を受け、CO2排出権取引の契約をした。その後『追証が必要になった』と連絡があり、支払ったお金が全てなくなった。投資の経験は全くなく、こんなことになるとは思わなかっ」などといったCO2(二酸化炭素)排出権取引に関する儲け話のトラブルが急増している。
 業者の交付する資料を見ると、消費者はCO2排出権そのものではなく、欧州の市場で取引のある「CO2を排出できる権利」の価格相場を参照するCFD取引(CO2排出権のCFD取引)を行っているものと考えられる。CO2排出権のCFD取引は、ロコ・ロンドン金取引と同様、ハイリスクで複雑なデリバティブ取引である。以前トラブルが目立っていたロコ・ロンドン金取引の分野は2011年1月の商品先物取引法の施行に伴って規制強化がされたことから、業者がCO2排出権のCFD取引の分野に対象商品をシフトさせていることが推測される。CO2排出権は取引業として商品先物取引法上無許可・金融商品取引法上無登録業者であっても直ちに違法な販売勧誘といえず、法律の隙間をついた取引といえよう。
 相談の特徴としては、高齢者が訪問を受け、リスクなどについて説明がないまま契約し、多額の損失を被ってトラブルになるケースが多いほか、業者に親切にされ、断れなくなって契約してしまう事例が目立つ。
 そこで、(1)CO2排出権のCFD取引の仕組みがわからず、投資経験もない一般の消費者は決して契約しないこと、(2)電話や訪問を受けてもはっきりと勧誘を断るよう、とくに高齢者に向けて注意喚起を行う。

平成23 年9 月22 日
独立行政法人国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110922_2.html

《相談事例》
突然「今値上がりしているよい商品がある」と電話があり、後日自宅を訪問され、CO2 排出権取引の勧誘を受けた。その際「元本は必ず戻る」「すぐ倍になる」などと言われ、「利益換算表」という書面を見せられたため、信用してしまった。3 回に分けて200 万円を現金で手渡したが、その後すぐに「値段が下がったから追証が必要になった」と連絡があったので、支払ったお金が全てなくなってしまったことがわかった。

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 排出取引(Emissions Trading, 略称ET)とは地球温暖化の原因とされている温室効果ガス(その大部分はCO2)の排出量を削減するため、各国家や各企業ごとに排出枠(キャップ)を定め、排出枠が余った国や企業と、排出枠を超えて排出してしまった国や企業との間で取引(トレード)する制度です。

 ただし、消費者自身はCO2 排出権そのものを取引しているのではなく、欧州の市場などで実際に取引されているユーロ建てのCO2 排出権の価格相場を参照し、取引開始時に売買した価格と、その後の反対売買時の価格の差額を損益として清算し、差額のみによって決済をする取引(差金決済取引)を、業者との間で行っていることになります(CFD取引/相対取引)。

 この取引を行うために消費者が業者に証拠金(保証金)を預け、業者がそれをもとに、何十倍もの取引を行う「証拠金取引」であることから、市場で取引されているCO2 排出権価格が期待どおりに変動した場合には利益を得られるが、予想に反した場合には損失が発生し、損失が最初に支払った証拠金を上回るおそれもあるハイリスクな取引でもあります。

 一般の消費者が海外のCO2 排出権の価格や為替相場の値動きを見極めることは事実上不可能であり、また、実際に正しく取引が行われているのかは不明であり、業者自体の実態が無く、途中から連絡がつかなくなることもあります。

 この排出権CFD取引は、ロコロンドン金取引や海外商品先物取引が本年1月1日から許可制になったことから、それまで、これらの取引で悪質な勧誘等をおこなっていた業者が、規制対象外の新玉として目をつけたものと考えられます。

 実際、2011年4月以降、ロコロンドン金取引による被害相談が急減するのと入れ替わるようにCO2排出権取引に関する被害相談が急増しています。


以下のようなことを行う業者には要注意です。
○「元本保証」や「利益が確実」といった言葉ばかり言い、リスクについて説明しない。
○資金がないと断っているのにしつこく長時間に亘り勧誘する。
○資金に預貯金等を解約させる、さらに悪質なケースでは消費者金融から借りれさせる。

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